ヘルシンキからショートトリップでイッタラ村へ。
電車でどのくらいかかっただろう。2~3時間乗っていた気がする。

工場を見て、ショップ、ミュージアムに行ってまた工場に戻ってと、トータル1時間は張り付て見ていたイッタラの工場。その日はイッタラバードとアアルトベース、ウルティマツーレを作っていた。

ウルティマツーレは3つの中では一番機械的な生産。もちろんガラスを吹く人がいて、型にいれる工程はあるけど、その後は機械がサポートしている感じ。調べると、型押し製法っていうみたい。量産向きだそうで、確かにどんどんウルティマツーレが転がっていってた。ここがいちばん機械としては見応えがあった。
アアルトベースはガラスを吹いた後ゆっくりゆっくり型に入れていって、型から上げるたびにどんどん形作られていくのがとてもわくわくする。型入れが終わったあと大きなアアルトベースが火入れ(?)をされるのにくるくる回っていて、とてもきれいだった。きれいなものがゆっくりくるくる回っていて、少しうとうとしてしまう。
工場に入る前にアアルトベースの木型と金型が展示してあったけど、工場見学ができる場所から見て、どっちが使われているのかまで把握できず、そこだけ気になりながら見ていた。

一番感動したのがイッタラバード。一体何周分イッタラバードの製作工程を見ていただろう。
イッタラバードは一つつくるのに4人がかりで約15分。最初はメインで作っていた日本人の職人さんに注目していたけど、まわりでふらふらしていると思っていた職人さんたちの動きがすごい。プロダクトにがっつり集中しているメインの方の動きを見ながら、完璧なタイミングで自分のパーツを持っていき、渡すとさっと立ち去り次の持ち場に。流れるように動く職人さんたちの動線が素晴らしく綺麗だった。日本人の方はほぼノールックでパーツを受け取っている。お互いの信頼関係が垣間見えるチームワークと職人技のモノづくりに大感激。
製作工程、1から10まで説明したいけど、そちらはインスタのリールにまとめたのでぜひ見てもらえると嬉しいです。

ミュージアムのオープン時間がまだだったので、次はショップへ。ヴィンテージのイッタラも販売してあって、京都の歩く鳥で見てずっと気になっていたビールグラスが1つだけあったのでついに購入!これについてはまた違う記事で書きたいと思います。
それから母へのお土産にアアルトのキャンドルホルダーを。フィンランドに行く前、九産大美術館で開催されていた「北欧のあかり展」に母と行って、あかりのある北欧の暮らしを一緒に見ていたので。あと、工場でせっかくアアルトベースの製作工程も見たので、ここに来た記念に自分の分も欲しいなと思い、色違いで購入。
ちなみに母とは大学生のころからいつか絶対一緒にフィンランド行こうねと話していたので、今回友だちと行くの少し迷ったけど、先に来てよかった。どうせ私がいろいろ調べて連れて回ることになるとおもうので(笑)、しっかり予習できてよかった。できるだけ早めにまた母と一緒に行きたいな。

そしてとってもよかったイッタラミュージアム。日本人の方がいらっしゃって、気になることは日本語でしっかり聞ける、ありがたい!

ここで工場で気になっていたアアルトベースの型の話を聞くと、今日は金型だと思いますが、どっちでも作るんです、とのこと。ミュージアムの中のアアルトベースには金型で作ったものと木型で作ったものがあるので、どっちが木型で作られているか当ててみてくださいと言われてみてみたけど、なかなか難しい。
しばらく見てると、もしかして金型のほうが割り位置の線がくっきり出ているのかもしれない!と思って答え合わせに行くと、見分け方はそこじゃなかった、、、(型物の特性はなんとなくわかる気がしたので少し自信があったのに。笑)
見分け方は、ガラスの表面が波打っているかどうか。金型のものはガラスにうねりがないけど、木型のものには木の表面の質感がでているとのこと。答えを教えてもらってもう一回見てみると、確かに、若干木型のほうがあたたかみのある雰囲気がする、、!(でもほんとによくよく見ないと気づけないくらいの差で、言われなかったら絶対に気づけないなと思う。)
ちなみに木型は周年とか記念の時としてから作らないので結構めずらしいとのこと。いつかどこかでアアルトベースを目にしたとき、うわこれ木型だ!となってみたいなあ!

製法の説明もあって、工場を見ていると同じ工程を何回も繰り返すんだなと思っていたけど、説明をみると、同じ工程に見えて毎回使っている道具が変わっている。職人さんの動きが同じように見えたのでまさか道具が変わっていたとは気付かなかったのでびっくり。

これを見て、もう一回工場行かないと!と思って最後に工場に戻ってまたしばらくそこに居た。はぁ、ほんとうにおもしろい、何時間でも見ていられる。全然帰りたくなかったな。

ひとつひとつ丁寧にモノづくりをしている工場の中はゆっくりと時間が流れていた。
誰もが名を知るイッタラ、自分もなんとなく知った気になっていたけど、こうやって工場を見ると全然知らなかったんだなと思った。これからイッタラのプロダクトを使うとき、やわらかくてあたたかくてゆったりした気持ちで使えそう。
またひとつ、知っているようで知らなかったモノづくりに出会えたいい旅でした。