しなやかで力強い天童木工

天童木工の工場見学へ。こういうところに行くと仕事?と聞かれがちですが、今回は(今回も、笑)プライベートです。

まずはショールームで歴史の説明から。地域の大工さんなどの集まりで1940年に組合から始まった天童木工。戦時中は弾薬箱や軍需品、おとりの飛行機を作っていた背景から、戦後は余っていた材料で家具などを作り始めたとのこと。ちゃぶ台、この時から折り畳み式だったらしい。

その後、成型合板の技術は確かアメリカからきたと言っていた気がする。(うろ覚えなので間違っていたらごめんなさい。)

そこから成型合板の色んな技術を教えてもらった。コマ入れ成型とかエンドレス成型とか。これから天童木工のプロダクトを見るときにそういう部分に着目しちゃいそう。そもそも成型合板とか、家具自体がどう作られるか基本的なことも知らなかったので、すべてが新鮮で説明だけでも興味深かった。

天童木工といえば誰もが知る柳宗理先生のバタフライスツールも。試作品を展示されていて、試作品が一番かっこいいじゃん!と思ってしまったけど、そのあと、バタフライスツールへの想いを聞いてそんなこと思っていられなくなった。(試作品は年季も入っているからそりゃあかっこいいですよね。)

「バタフライスツールで大切なのは、この座面の木目を揃えることです。ここの木目が揃っているかいないかで、全然見え方が違うでしょう。材料を選ぶ人、成型をする人、仕上げをする人、みんなプロです。私たちは木目を揃えることに命を懸けてやっています。」

案内してくれた方のこの最後の一言がとても力強くて、工場見学をする前にこれが今日一番心に残ることだと確信した。

話を聞いてバタフライスツールやムライスツールを見ると、確かに木目すごい!と思ったけど、これを言われなかったら自分は気づいていなかったと思う。

違和感が全くないということは、そうするための技術や工夫がちゃんとなされていて、人にも生活にもすっと馴染むものになっている。そういう当たり前のことに全く気付けてないなと思った。知ってるのと知らないのとじゃモノの見方も変わって、これだけでもこの日の収穫。

歴史や製法、プロダクトのことを一通り教えていただいて、ついに工場見学へ。

工場内は撮影禁止だったので写真はないけど、まずこのショールームから工場へ続く道のわくわく感よ、、、工場見学する前提でこの通路作りましたか?という感じ。この近未来感、いいなぁ。

工場見学は2階の通路から見せてもらうスタイルで、俯瞰でいろんな部分が見れて、気になるところは全部教えてもらえてとても贅沢な時間でした。ユニフォームのカラーもよくて、工場全体に統一感もあって空間自体がかっこよかった。思ってたより若い方や女性もが多かったのもびっくり。

そして大きな機械がたくさんあるんだけど、機械ってほんとに補助というか、人がどうしてもできなくて機械の力が必要なことをしている、という感じだった。機械といってもずっと人がついているし、結局それも人がやっているの?という感じで、ほぼ手作業といっても過言ではない。工程が進むにつれてどんどん手作業が多くなっていて、工程を見るとどう考えても手作業のプロダクト。「こうじょう」というより、「こうば」をずっと見ていた。

「あそこに革を見ている若い女性がいるでしょう、あの子は革専門のプロです。」

「あの工程、ものすごく地道な手作業ですけど、あの工程をしっかりやらないと次がうまくいかないんです、あの地道な作業がとても大事なんです。」

自社製品への誇りと働く人たちへの敬意がこもった力強い説明がとても印象的でした。プロダクトも見た目はしなやかだけど頑丈、働く人も物腰柔らかだけど言葉や想いは力強い、モノとそれを作る人たちにギャップがなくて、人がモノにでてるなぁとひしひしと感じました。

工場見たらきっと欲しくなるだろうなぁと思っていたけど、しっかり欲しくなったなぁ。欲しいというか、あの方たちが作るものを長く使いたい。最近白いテーブルが欲しいのでそれもいいなぁと思ったけど、やっぱり成型合板の技術や良さがわかりやすく見えて使える椅子やスツールをまずは手にしてみたいな。いつか一生ものの天童木工の家具と過ごせる日々を夢見て。