1920’s German sleeping shirt | Amsterdam

2024年の6月、ヨーロッパ出張に行った際にアムステルダムのヴィンテージマーケット”Noordermarket (北教会の蚤の市)” で見つけたドイツのスリーピングシャツ。
お店のおばちゃんによると、1920年代のものとのこと。100年前?!ほんとに?!という感じだったけど、これはヴィンテージじゃなくアンティークだ、という主張もされたので、本当かもしれない。
ドイツもどこの地方のものかまで教えてくれたけど、こちらに知識がなかったため聞き取れず。地方まで教えてくれてのは、何か特徴でもあったのかなぁ。

シャツは見どころ満載のディティールで、袖のレース?フリル?の部分もちゃんと刺繍がされていて、ボタンも素敵。襟のサイドにある布テープにまで模様がある。

身長が低い割に肩幅が広くて腕が長いので(笑)、こういう服は丈と肩幅と袖の長さがほぼ合わないけど、まさかのジャストフィット。それまでヨーロッパで買った服はTシャツ1枚だったので、やっと気にいる服が見つけられて嬉しかったな。

現金のみで€35だったので、€40渡すと、シャーベットオレンジからライムっぽい色になるグラデーションのベストを持ってきて、これ€5!これ買ったらちょうど€40よ!絶対あなたに似合うわ!とゴリ推し(笑)とにかく着てみてと試着までさせられたけど、この色のベストはさすがに着こなせないぞ、、、と思い、強い意志をもってソーリー。€5無事帰還。でも今思うと、なかなか楽しげな服だったから、思い出として買っててもよかったかもなあ!

服を包んでもらいながら、耳元でこそこそと話してくるおばちゃん。すぐそこにある大人気のアップルパイのお店、実はそんなに美味しくないからやめときな、それよりあっちのアップルパイやさんのほうがお店の雰囲気も最高だし断然美味しい!という秘密の情報を教えてくれた。

おばちゃんとの楽しい会話も含め、旅の最後の最後にいいお買い物ができて大満足でした。
今は日常的に着てるけど、おばあちゃんになったらスリーピングシャツという名前の通りパジャマにして過ごしたいなあ。

さて、本題はここから。このシャツを買うまでの経緯です。
ヨーロッパに行く前、たくさん古着を買うぞ!と意気込んで行ったものの、最初のロンドンで膨大な古着の量に圧倒されて、自分って実はモノ選べないんだ、、、とショックを受けた。
日本でいつもいい古着を買っていたのは、自分の目利きではなく、その古着屋さんの店主が選んだモノの中から選んでるから、そりゃあいい古着買えるよなあ、とバイヤーさんのすごさを実感。古着に限らず、セレクトショップのバイヤーさんなど、膨大な数の中から自分の意志でモノを選んで提案している人たちはすごい。

でも、ヨーロッパで古着を見つけるのを諦めかけてたのに、なんでこんなに素敵なシャツを見つけれたのかというのには今思えば理由がある。

ロンドンのあと、パリでとあるブランドの展示会にお邪魔させてもらったとき、とても素敵なディレクターさんとお話しさせていただく機会があって、帰ってその方の経歴を調べてると、白いシャツを集めているという記事がでてきた。

そうだよなあ白いシャツっていっても色んなものがあって、生地感や白の色味も多種多様。白シャツとして一括りにしてしまいそうなところを、それぞれの個性をちゃんと見てるって素敵だなあと思って読んでた。

今考えると、きっとそれが頭の中にあって、無意識にそのマーケットで白いシャツをみていた気がする。

膨大な服の中から目的なくモノを選ぼうとすると途方に暮れてなにを見たらいいかわからなくなるけど、頭の片隅に白いシャツがあったから、このシャツを見つけられたんだろうなあと。(その時に意識して見てたとは思ってないけど、きっとそうだと思う。)

きっとその記事を読んでなかったら、白シャツいくつか持ってるしなあと、目に留まってたとしても買わなかった気がする。
カテゴリー分けしちゃうと一つにまとまってしまうものも、ひとつひとつ全然違う個性があるし、気分や行く場所によって選ぶものも違ってくる。

なので、また似たようなの買ってる!と聞こえてきそう(自分でも思いそう)なことは一旦置いといて、気になったものとはちゃんと向き合って選択していきたい。

ロンドン、パリ、アムステルダムの3か国を経て、このシャツを買うことで、モノを選ぶ、買う、ということについて考えさせられたお買い物でした。